生糸の保管状況と品質の劣化のお話
|
まずは生糸の劣化を最低限に防ぐ最適な保管方法についてお話し
します。
生糸は生き物です。(まだ呼吸をしています。)
湿気があれば水分を吸いますし、乾燥していると乾きます。
暑いところに置けば、暑いと言いますし(「言わへん言わへん!」)
寒いところに置けば、寒いと言います。(「言わへん言わへん!」)
すべてを実行することはおそらく私たち業者以外の方は無理だとは
思いますが一応、思いつくことを言いますねっ!
保管時の温度や湿度は、私たちが過ごしやすい生活環境より温度は少し低い目、湿度は少ない目が良い。つまり風通しの良い直射日光に当たらない日陰で保管することをお勧めすると言うことです!
ビニール袋に入れて保管するより紙に包んで保管する方が適度に息が出来るので好ましい。
また虫に食べられないように防虫剤を周りに置いておく。(特に精練前の状態ではこれに気を付けておいてください!セリシンを好物
とする変な虫が世の中にはいますので、、、)
ちなみに虫に食べられると糸繰りが出来なくなります!(はさみで切った様になる)
糸を何かに巻いた状態(引っ張られた状態)よりもテンションのか
かっていない「カセの状態」の方が保存するのには好ましい。
以上が生糸(精練前、精練後共に)の最適な保存方法でした。
では劣化、色焼けに関する問題はどうでしょうか?
これは精練前と精練後ではかなり状況が変わってきます。
精練前のいわゆる「生(き)」の状態ではセリシンに守られているために特に問題はありません。色が焼けて若干黄色くなってきても精練するとほぼ真っ白な状態に戻ります。また強度もあまり変わりません。保存状態が良いと2、3年ぐらいは平気で持ちます。
セリシンはすごい役割を果たしているのですね!
だから最近ではシャンプー、化粧品にも入っているのですね!
ちなみにここで私の友達紹介です。
私の友達、マルタカシルクの高井さんが、シルク化粧品を中心に製造販売されています。
当方もHP作成など大変お世話になっております!
よろしければ一度みて見て下さい!
「 シルクの部屋 」 https://www.0469.net/
しかし精練後の状態では、色が焼けると黄色っぽくなり漂白をする以外は元(白い糸)に戻りません。
(工程が増えれば増えるほど糸質は悪くなり、糸繰りもしにくくなります。)また、引っ張り強度
も徐々に悪くなって切れやすくなります。テンションをかけた状態での保管はさらに切れやすくなります。でも虫には食べられにくく
なります。(これはメリットですね!)
糸の太さにもよりますが、精練後6ヶ月以上たった細い糸を経て糸にする事は避けられたほうがいいでしょう。
つまり上記の方法で生糸(精練前)を保存し、使用時に必要な分だけ精練する事が常に一番いい状態で絹糸を使用する条件なのです。
染めた後の色糸も精練後の糸の状態と同じと考えてください!
以前に、使う分だけご自分で精練した方がいいと言っていたのは、
上記の事が原因だったのです。解っていただけましたか?
当ホームページでは、現在必要な分だけを少しでもお買い求め安く頂けるようになるようにこれからも頑張りますのでこれからも宜し
くお願いいたします。目標は糸のコンビニですね!
※これらは2000年8月17日に西陣の糸屋が発行したメールマガジンを変更した内容です。
ページ内の文章・写真・画像の一切の転載を禁止します。著作権は有限会社吉川商事にあります。
このページ記載の内容や新着情報は無料でご購読いただけます。
最終更新日2012年2月
|