経糸・緯糸の違い
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まず言葉の説明ですが、、、
経糸(たていと)=織物を織る際にタテになる糸。経度の経
緯糸(よこいと)=抜き糸(ぬきいと)とも言う。緯度の緯
絹100%の織物の場合は、基本的には経糸も緯糸もどちらもシルク100%の同じような糸なのですが、
皆さんは「経糸・緯糸」どのような違いがあると思われますか?
(ここでは私どもが取り扱っているシルクについて限定してお話をさせていただきます。)
①先ずは「経て用」の生糸撚糸
違いは、品質の良さ。
タテ用の生糸を撚糸する際に、出来るだけ節の小さく&少ない原糸を利用して製造します。
これは織物が出来上がったときに
「さし」と言う傷(経に線が入ったりするトラブル)がは入らないようにしたいという品質の差なのです。
もちろんタテ糸に使用出来る糸は緯糸にも安心してご使用いただけます。
②もう一つは撚りの問題。
特に織屋さんが経糸に片撚りを使用する際は、300回/m以上撚りを入れられます。
よって細い絹糸の場合は250回以下の生糸撚糸を「ヌキ用」と言う事があります。
これは筬で毛羽立つのを防ぐなどの為にされています。
③最後にもう一つ!当方では一切取り扱っておりませんが、、、
糸屋によっては緯糸を重さの基準に合わす為に長さを短くする場合があります。
皆さまはあまり意味が解らないかもしれませんが、西陣の織屋さんのご注文の場合、品質が悪くなっても良い、糸の長さも短くなっても良い、と言う事で品質の悪い価格の安い原料(生糸)を使用し撚糸をして、仕入れ価格を押さえる場合がある。
「商品名+ヌキ用」と呼ばれます。完全に質より価格重視という生糸撚糸ですね。
西陣のこだわりの無いメーカーさん用の糸ですね、、、汗
色々ご説明しましたが生糸撚糸の「経て糸と緯糸の違い」は、こんな所です。
その糸が経糸に可能かどうかはあなたの工夫と腕で決まるのです。
良く「緯糸に使用できますか?」と言うご質問も受けますが、、、
実際の所、緯糸(ヌキ糸)の場合、糸が繰れればどんな糸でも使用可能なんです。
(繰れない糸なんてもちろん当店では販売しません。出来ません。汗)
皆さんも今までの常識にとらわれず失敗に恐れずに新しいものにチャレンジして新たな風合いとの出会いを求めてくださいね!
それが生地を買うだけの人と違う、織物をクリエイトする人だけが
持つ最大の魅力、特権ではないでしょうか?
(偉そうに言ってごめんなさい!でもそうでしょ、、、)
※これらは2000年9月2日に西陣の糸屋が発行したメールマガジンを変更した内容です。
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最終更新日2012年2月
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