経糸密度と繊度(太さ)の関係
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今回はちょっとむずかしいで~~~
初心者の方はかくごしいや~~~
でも考え方だけは勉強になると思うので必見の価値ありですよ!
さ~それでは本題に入りまひょうか~
以前のメールマガジン「筬密度と経糸の必要量」で購入する際に
必要となる経糸を計算するをお勉強して頂きましたが、
今回は筬(おさ)の密度に対して糸の太さをどう計算するか!?
を着尺を例にあげ、私なりの考えで書かせて頂きます。
筬もお客さまによって色々な単位で計算されておりますのでもう一度、長さの単位もご確認下さい。
特に尺貫法は曲と鯨の2種類ありますから、、、
●まず考える事は
①筬(おさ)が決まっている場合。(今後、糸を購入される場合)
②糸が決まっている場合。(複数の筬をお持ちか購入される場合)
③どちらとも決まってない場合。(下記を参照して糸と筬をお決め下さい)
今回は筬(おさ)が決まっている場合で考えていきます。
たとえば着尺に45羽/寸(曲尺)の筬を使用するとしましょう!
この時点で実はある程度の経糸が必然的に決まっているのです。
結論から言うと手織りの場合通常1羽に2本の糸を入れられるので薄目の織物の場合は21中8本(168デニール)
厚目の織物の場合は21中10本(210デニール)
●ここでちょっと着尺の経糸の太さを決めるポイント!
45羽/寸(曲尺)で1羽に2本ずつ入れると90本の経糸を入れる事になります。
例えばすべて21中 8本(168デニール)を入れると
168デニール×90本=15120デニール/寸(曲尺)になります。
着尺の場合はこの数字がだいたい13000(薄目)~20000(厚目)/寸(曲尺)。
上記の場合は15120デニール/寸(曲尺)ですのでどちらかと言うと薄目の織物になるみたいです。
(薄目・厚目というより経糸密度が少なめ・多めの表現の方が正しいかな!?)
他の糸で上記の条件だと、、、
21中6本(126デニール)の糸を使用すると11340デニール/寸(曲尺)
21中12本(252デニール)の糸を使用すると22680デニール/寸(曲尺)
と13000(薄目)~20000(厚目)/寸(曲尺)少し極端な織物になってしまうようです。
この数字を計算して頂くと、寸(曲尺)、寸(鯨尺)、cm、インチの基準も
すぐに計算して頂けると思いますので一度みなさんのご使用の筬がどれぐらいの数値になるか計算してみてください。
そしてこれまで織られた着尺の糸を一度計算してみて下さい!
同じ筬で少し糸を太くされた場合、同じ糸で少し筬密度を変えられた場合など、実際の生地の厚みを触りながら上記の数値をお役に立てて頂ければと思います。
★補足説明
数種類の糸をご使用の場合は糸の本数とデニールを別々に計算して合計して下さい。
手引き真綿糸や玉糸など節のある糸をご使用の場合はあまり生地厚を厚目にすると織りにくくなりますので薄目から半ばまででお考え下さい。
(もちろんこの場合も数種類の糸を使われるでしょうし別々に計算して合計して下さい)
糸の本数を3本にしたり4本にする場合も同じ要領でお考えください。
★注意(以下の理由であくまでも参考程度にお考え下さい)
実際に織られる時の打ち込みの込み具合によりかなりの差が出ます。
上記の基準はあくまでも私がお聞きした方の基準で計算しております。
皆さまが以前に織られた着物と違う場合もあると思いますが、筬の打込みの力の差や織機の癖などもありますのでご自分で織られた物がある場合は必ずそちらを基準にお考え下さいね!
「基準数値が少し変わっても計算方法はお使い頂けると思います」
後は最終完成時の生地の完成幅と実際に織られる生地幅&整経長を考えながら下記を参考に糸の購入数量をお考え下さい。
「筬密度と経糸の必要量」
今回の内容はいつも織物教室でご用意された絹糸を使用して着尺を織られている方に
とっては考え方という意味では良い勉強をして頂けたと思います。
もちろん多くの方はこんな事は当たり前に計算されている事だとも思います。
(またご意見やアドバイスなどがあれば宜しくお願い致しますね~)
※これらは2006年5月16日に西陣の糸屋が発行したメールマガジンを変更した内容です。
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最終更新日2012年2月
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